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食材廃棄を減らすためには?利益向上とSDGsに向けて食品ロス対策に取り組もう

食材廃棄を減らすためには?利益向上とSDGsに向けて食品ロス対策に取り組もう

世界的に大きな社会問題として注目される食品ロス。食材の廃棄を減らすことは、飲食店の経営上の課題でもあります。仕入にかけるコストを効率的に削減して利益を確保するためには、廃棄量を可能な限り少なくすることが求められます。今回は、コスト削減とSDGsの視点から、廃棄する食材の量を減らすために飲食店ができることを解説します。

食品ロスとは

食品ロスとは、食べ残し・使い残し・期限切れなどにより、「食べられたはずの食品」が捨てられている問題を指します。

SDGsの目標の一つに「つくる責任 つかう責任」があり、具体的なターゲットとして「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させること」が設定されています。

日本国内でも、「食品ロスの削減の推進に関する法律」(略称食品ロス削減推進法)が令和元年10月1日に施行されています。ニュースなどで取り上げられているのをしばしば目にしますが、いまだに大きな改善は見られません。

日本における食品ロスの現状

農林水産省と環境省が2022年6月9日に公表した食品ロス量の推計値によると、日本の事業系食品ロスの発生量は275万トンと推計され、うち外食産業が占める割合は81万トンです。

日本全体では、食品ロスにあたる量が522万トンにおよんでおり、一般廃棄物処理費用は年間約2兆円にもなります。

日本には、他国に比べても食品ロスが発生しやすい土壌があると考えられています。刺身や生卵など生食する文化があり、消費者も食品を扱う側も、「新鮮であること」に敏感な傾向があります。

<参考>我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)の公表について | 報道発表資料 | 環境省

食品ロスによる事業経営への影響

飲食店においての食品ロスは、単純に食品がムダになるというだけではありません。仕入れた食材を処分することによって食材の購入費用がムダになる、廃棄費用が余計に発生することになります。言い換えると、飲食店における食品ロスは、利益減少に直結します。

飲食店における食品ロスの原因としては、食べ残しや仕入の見込み違い、不適切な管理などが挙げられます。そのため事業者側の工夫や努力によって、食品ロスをある程度少なくすることは可能です。

食品ロスの削減は社会的に意義があるだけでなく、飲食店にとっては利益率を向上させる意味でも、本腰を入れて進めていきたい取り組みです。

外食産業における利益率についての詳細は、「飲食店の利益率の目安は?上がらない要因や向上の方法を解説」をご覧ください。

飲食店での食品ロス対策~仕入れや保管の工夫

飲食店の食品ロスは、日ごろの意識付けや仕込み、保管の工夫、顧客への働きかけなどで減らすことができます。店舗側が行える対策としては、以下のようなことが考えられます。

現状把握を行う

仕入から廃棄までの量を記録し、自店舗における廃棄量や仕入に対する割合を明確化します。ムダになる場合のプロセスの傾向をつかみ、調味料や食材の代用、保存処理方法の見直し、使い切りの工夫といった対処法を考えます。

具体的にムダになる流れを知ることで、より問題意識を高められ、真剣に取り組むための姿勢へとつながります。

仕入れの工夫

過去のデータを活用して、曜日・天気・周辺のイベントなどの状況を見ながら、計画的かつ合理的な仕入れをこまめに行える体制にします。

一般的には、一括大量仕入れをすることで価格を抑えられますが、余らせてしまうとそうしたコスト減の効果もムダになってしまいます。同業者や近隣店舗との食材シェアを行い、大量仕入れの効果を得ながら、上手に必要分だけを入手するという方法もあります。

カット野菜の利用や、保存期間の長い食材に変えるなど、効率的に使い切ることを念頭にした仕入れにしていくことも必要です。

保管の工夫

真空・冷凍などの方法を的確に活用し、小分けにして保管することで、必要なときに必要な量を使うことができます。

ラベルを貼る、アプリ管理による期限アラートを設定するなどによって食品管理を可視化し、できるだけ新鮮なうちに使い切る必要があります。

整理整頓を常に行い、何がどこにあるのかを把握しておけば、古い食材から順に使うのが容易となります。

提供の工夫

食事を提供する際の工夫も大切です。

食べ残しを減らすためには、小盛り、少量盛り合わせや取り分けできるメニューを提供するといった方法があります。

高齢者・子ども・女性などへは、ご飯の量の調整やメニューのボリュームについて説明するなどの配慮をし、客層に合わせた対応を実施します。

飲食店での食品ロス対策~顧客への働きかけ

食品ロス対策は、店舗側だけでは難しい場合もあります。顧客に対して協力を求めていくことも、食品ロスへの対策となります。

適量注文、食べきりへの意識喚起

量がわかりやすい写真を掲載する、量・味に関する説明を加えるなど、メニュー表へ工夫を施すことによって、食べ残しによる食品ロスの防止につなげます。

食べてみて口に合わずに残してしまう、イメージしていたよりもだいぶ量が多い、というケースはよくあります。例えばセットメニューに、「成人女性であれば食べきれる量です」「女性一人のお客さまもぺろりと召し上がれます」「3~4人のグループさま向けです」など量に対しての説明や、「エキゾチックな味覚のハーブを多用しています」「本場の辛さを再現しています」といった味についての注意があれば、メニュー選びがしやすくなります。

メニューへの工夫に加えて、食べきれる量を注文してもらえるような呼びかけをテーブルに提示することも、食品ロスへの注意喚起となります。

また、ラストオーダーの声かけにより、食べきれる量を注文してもらうなど、食事をする時間についても気を配りましょう。

持ち帰りへの対応

なかには「持ち帰りたいと言うのが恥ずかしい」という人もいるかもしれません。

持ち帰りに対応していることを明らかにし、店側の食品ロス防止の姿勢を示すとよいでしょう。

食べ残し回避策として持ち帰りをすすめる場合には、持ち帰り用の容器を提供すると同時に、衛生管理を十分に行います。抗菌シートを入れる、製造元・日時や「本日中にお召し上がりください」などと記載したシールを貼るといった対応が求められます。

 売り切りへの対策

期限切れ間近の食材を使い切れるメニューを開発し、割安の目玉料理とすることも、食品ロスの対策になります。

店頭での訳あり食材販売を行う店舗もあります。使い切れなかった野菜などの食材や焼き豚、ハムなどの加工食品を格安で販売し、顧客の協力を仰ぎます。店の常連客であれば、店舗側の意図を理解し、SDGsに貢献することからお買い得品として購入してくれるでしょう。

廃棄食材削減で社会貢献と経営の安定化を実現

食品ロスを削減するのは、持続性のある社会に向けた大きな意義を持つ行動であり、また昨今の厳しい経済情勢で事業を守るためのひとつの策でもあります。たとえ1日数グラムの減量であっても、1週間、1か月と重なれば、大きな成果となります。ぜひ、コツコツと食品ロス削減に取り組んでいきましょう。

なお、環境について考える際には、廃棄の量を減らすだけではなく、廃棄の仕方にも目を向けていきたいところです。

調理に使った油の廃棄の方法については、「油の廃棄の正しい処理方法とコスト削減について解説」で詳しく紹介しています。ぜひご参照ください。

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