【Z世代に学ぶ!食のスタイル】
筋トレ自炊派に選ばれる外食・中食ヒント
2025.06.10

【Z世代に学ぶ!食のスタイル】は、次世代の消費者であるZ世代(16〜30歳)の食に対する価値観やトレンドから新しい視点を学び、皆さまのビジネスに役立つヒントをお届けします。
今回のテーマは、健康や自己管理を目的に自炊を前向きに取り入れる「筋トレ自炊派」のリアルな食スタイルです。フィットネスジムの利用増加やプロテイン補給食品・飲料の広がりが見られる中、Z世代の若者たちは、食に対してどのような意識を持っているのでしょうか。
そもそもZ世代とは?
デジタルツールが当たり前に存在する1990年代中盤~2010年代前半に生まれたZ世代については、次の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
話題の「キャンセル界隈」。食事よりも○○を優先するSNS世代
Z世代は自炊にポジティブ
「最近の若者は料理をしない」と思っていませんか?
若年層の価値観やインサイト研究を推進するNEW STANDARD社のシンクタンクがZ世代(1995年〜2009年生まれの16~30歳)を対象に行なった意識調査では、自炊に対して「ポジティブ(50%)」「ややポジティブ(33%)」と83%がポジティブと回答。実に10人中8人以上が自炊に肯定的という結果に。Z世代の自炊は「面倒だから仕方なく」ではなく、前向きな選択であることがうかがえます。
また、同調査で1つ上のミレニアル世代(1980年〜1994年生まれの31~45歳)は「ポジティブ(22%)」「ややポジティブ(36%)」と肯定的な意見が58%にとどまったことを踏まえると、Z世代のほうが自炊をポジティブに捉えており、自炊=面倒・仕方なくやるというネガティブな認識ではないという様子がうかがえます。

自炊する理由
さらに同調査によると、Z世代が自炊をする理由として最も多かったのは「健康管理 / カロリーや栄養バランス調整のため(26%)」。続いて「料理が趣味 / 新しい料理やレシピを試すのが楽しみ(14%)」、「自分好みの味付けにできる(12%)」などが挙がりました。「毎日の食事の計画が立てやすい(6%)、「ベジタリアン、ヴィーガン、グルテンフリーなどに配慮した食事をしたい(2%)」も見られ、Z世代の自炊に対する価値観が具体的に見えてきます。
Z世代が自分自身で食事そのものを管理・コントロールすることに重きを置いて、楽しんでいる傾向があることが読み解けてきます。

《N1インタビュー》会社員/23歳・男性Cさん

「筋トレ軸の社会人生活は、自炊で健康管理と節約。同じ料理もSNS参考に味変を工夫。」
Q.普段の食事内容について教えてください。
一人暮らしで自炊をしていて、毎日の食事はだいたい固定で決まっています。朝はオートミールに豆乳、卵、プロテインを入れてレンジで温め、冷凍フルーツをトッピングした「オートミールボウル」。トレーニーがよく食べる手軽な朝食です。昼食は、週末に作り置きした弁当を会社に持参しています。今週はヤンニョムチキン風味の鶏胸肉にブロッコリーとオクラを入れたシンプルなやつ。たまに会社の近くでランチを食べることも。夜は、カレー(ご飯 or うどん)か麻婆豆腐、時々パスタ。仕事のあとの自炊はだるいんで、鶏胸肉と野菜、サバ缶などの具材を炒めただけの簡単な料理を多めに作って、翌日に残りを食べることが多いですね。
Q.しっかり自炊してますね!こだわりは?
3食欠かさずに食べること。食事は生活の活力の源です。睡眠でもカロリーは消費されるし、空腹が続けば筋肉が分解される。学生の頃から「朝ご飯を抜くのは絶対なしやろ」って思ってました。自炊の目的は健康管理と節約だけど、料理が楽しいってのもある。買い物は圧倒的に安いから、ひと駅離れた業スー(業務用食品のスーパー)へ。めっちゃ商品の裏を見て栄養価を確認します。手間をかけず、安くてより栄養価が高いものを作ることを重視しますね。味はあまり気にしないけど、同じ料理ばかりで飽きないように、SNSのショート動画や投稿を参考にしながら、毎回味付けを変える工夫はしています。
Q.お菓子などのおやつは食べますか?
仕事のストレスか、最近はめちゃ食べてる。ポテトチップスは避けるけど、コーヒーと合う甘いものを食べちゃいます。仕事が忙しくてちょっと投げやりになってるかも。社会人になると筋トレを軸にした生活はできないのかなぁ。
まとめ:Z世代の食に対する価値観
健康管理と節約を目的に、前向きに楽しく自炊しつつ、タイパとコスパも重視するZ世代。忙しい日々の中で「自分らしく食を管理する」姿勢には、今後のビジネスへの多くのヒントが詰まっています。ぜひ参考にしてみてください。
⭐️外食・中食のビジネスヒント
Z世代の価値観を知ることで、彼らのニーズに応えるビジネスチャンスを見つけることができます。インターネット調査やデプスインタビューを通じて得られた情報をもとに、Z世代リサーチャーと一緒に外食、中食での新たなヒントとアイデアを探りました。
外食
🍝 家でも作れる!「極秘レシピつき」でファンを育成
鶏胸肉とブロッコリーの豆乳パスタなど、身近な食材で作れるメニューを提供。柚子胡椒のちょい足しなど味変アイデアは二次元コードから紹介。来店後も“自宅での再現”という体験が続き、満足度アップやSNS投稿、リピート来店につながります。
🍕 「今日は●●解禁日」週替わりメニューで来店動機に
週に一度のご褒美の時を楽しむZ世代に向けて、「今日は肉解禁日」「糖解禁日」「背徳解禁日」など、テーマ別の週替わりメニューを展開。例えば、焼肉風バーグ×から揚げ山盛りの「肉解禁日」、プリンパフェ×パンケーキの「糖解禁日」など、気分に合わせて選べる楽しさを提供します。「今日はこれを食べに来た!」とSNSでシェアしたくなる仕掛けが、話題化とリピート来店に。
中食(惣菜デリカテッセン)
🥑 鶏胸肉と一緒に食べたい「withサラダチキン」惣菜シリーズ
サラダチキンなどメイン料理を作り置きするZ世代に向けて、“主菜はすでにある”ことを前提に、栄養バランスを補完する惣菜。例えば、もち麦トマトリゾットや、野菜たっぷりビリヤニなど、鶏胸肉のサラダチキンと組み合わせるだけで1食が完成するラインナップを展開。「あと一品」の悩みを解決する“組み合わせ提案”で、購買意欲を高めます。
📖 自炊に活かせる月替わり「学べる惣菜」
「なぜこの組み合わせがいいのか?」を伝える、一言解説つきの惣菜シリーズ。例えば、「鶏胸肉に合わせてPFCバランス◎」「ブロッコリー(ビタミンC)×レバー(鉄分)で吸収率UP」など、栄養の知識が自然に身につく工夫をプラス。「ブロッコリー入りレバニラ」にように、自炊にも応用しやすい組み合わせを月替わりで紹介。
いかがでしたでしょうか?
Z世代の価値観を知ることで、これからのビジネスのヒントが見えてくるはずです。
次回もどうぞご期待ください。