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フードデリバリーサービスは活用すべき?メリット・デメリットを解説

フードデリバリーサービスは活用すべき?メリット・デメリットを解説

フードデリバリーは販路拡大に有効で、多くのお客さまに料理を提供できるという大きなメリットがありますが、自店舗で一から準備して始めるとなると、時間と手間がかかります。そのため、フードデリバリーサービスを活用する飲食店が増えてきました。

これからフードデリバリーサービスを活用してフードデリバリーを始めることを検討しているが、実はサービスの内容をよくわかっていないといった飲食店もあるでしょう。

今回は、フードデリバリーサービスの概要と、飲食店がサービスを利用する際に知っておきたいメリットとデメリットなどを解説します。

フードデリバリーサービスの概要

フードデリバリーサービスとはPCやスマートフォンを通じて、プラットフォーム事業者がオンラインで料理の注文を受け、配達をするサービスです。

注文取次のみを行う事業者と、注文取次と配達代行の両方を行う事業者があります。また同じ注文・配達代行型でも、プラットフォーム事業者の自社配達員が配達を行う形態と、事業者が個人事業者に依頼する形態の2つがあります。

このように、さまざまな形のサービスがありますが、フードデリバリーサービス市場は、現在どのような状況なのでしょうか。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングがまとめた「フードデリバリーサービスの動向整理」によると、2020年11月時点で、消費者の39.7%がフードデリバリーサービスの利用経験があると回答しています。そのうち、60.3%が感染拡大後に利用頻度が増えたと回答したほか、5.0%は新型コロナウイルス感染拡大後にはじめて利用していることから、感染症による行動制限が消費活動に大きく影響したことがわかります。

特に20代、30代のフードデリバリーサービスの利用経験率は、46.8%、46.4%と半数近くになっており、若い世代を中心に、オンラインでの注文が浸透してきています。

社会が落ち着きを取り戻しつつあるなかでも定着が見られ、2022年1-12月計のデリバリー市場規模は約7489億円の見込みで、2019年比で79%増となっています。

イートインの回復により落ち着きはあるものの、外食・中食市場のなかで一定数の需要を獲得していると言えるでしょう。

これらのデータからは、フードデリバリーが多くの消費者にとって日常的な存在になりつつあることが見られます。感染症の影響で需要が急激に伸びたフードデリバリーですが、外食への回帰によりある程度落ち着いてきた今でも、需要は失われていません。

店独自の味を手軽に自宅で食べられることや、調理や片付けの手間・時間を短くできるなどのメリットがあるフードデリバリーは、今後も一定の需要が見込めると考えられます。

出典:フードデリバリーサービスの動向整理|三菱UFJリサーチ&コンサルティング

   <外食・中食 調査レポート>2022年1-12月計のデリバリー市場規模は約7489億円の見込み、成長率は前年比5.3%減、2019年比79%増 | NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ

フードデリバリーサービスを活用するメリット

飲食店がフードデリバリーサービスを利用することにより、次のようなメリットが期待できます。

配送にかかる設備や人手を増やさずに、フードデリバリーを始められる

自店でフードデリバリーを実施する際には、注文の受付や配送の体制づくりが必要となります。

フードデリバリーサービスを利用すると、配送にかかる人材や設備はサービスを提供する事業者が用意してくれるため、新たに人材や配送設備などを増やすことなくフードデリバリーを始められます。

新たな顧客層の獲得

フードデリバリーを実施することで、店舗に足を運ぶことが難しい顧客を取り込むことが可能です。また、サービス事業者の提供するフードデリバリープラットフォームを通じて、店舗の情報が新たな顧客層の目に留まりやすくなります。

新たな収入源の確保

自店舗でフードデリバリーを行う場合も同じですが、店舗内での客数や回転率に限定されず、売上を拡大させることが可能となります。すでに来店したことがある顧客だけではなく、味を試してみたいといった顧客層についても、デリバリーの手軽さによる注文が期待できます。

イートインへの呼び込み

フードデリバリープラットフォームを通じて、これまで来店したことのない層にまで味を知ってもらえる機会が得られます。デリバリーサービスで満足してもらうことができれば、来店につながる可能性も広げられます。

フードデリバリーサービスを活用するデメリット

多くのメリットが期待される一方で、注意しなければならない点もあります。

品質の低下

店舗での提供とは違い、出来立ての状態から届くまでに時間がかかるため、メニューの温度管理や品質の低下への工夫が必要となります。冷めてもおいしく食べられる工夫をする、風味が損なわれないためのメニュー開発や作り方の検討をするなどが求められます。

配達トラブル

天候や交通事情などによる遅延の発生リスクがあります。また、配達員のクオリティにばらつきがあり、遅配や盛り付けの崩れ、マナーが悪いなどの理由から、顧客の不満やクレームにつながるケースもみられます。

手数料コスト

サービスの利用には、当然手数料が発生します。小規模な店舗や低価格帯の商品を提供する場合には、手数料コストによる利益への影響が大きくなる可能性があります。

許可取得の手続きが必要なケースがある

開業時に取得した飲食店営業許可の範囲内のメニューであれば、デリバリーで提供するために新たな許可の取得は原則不要ですが、メニューによっては新たに許可の取得が必要なケースがあります。酒類など、店舗で提供していてもデリバリーする際には注意が必要なメニューもあります。フードデリバリーサービスを利用したとしても許可の取得は店舗で行わなければなりません。取得するための手続きの手間や、時間がかかります。

許可が必要なケースについては、「テイクアウトやデリバリー開始に許可は必要?必要なケースや注意点などを紹介」をご覧ください。

フードデリバリーサービスを活用する際のポイント

フードデリバリーサービスを活用する際のポイントを紹介します。

コストと収益性のバランス

フードデリバリーへの対応のために赤字にならないよう、計画しましょう。フードデリバリーサービス事業者に支払う手数料に加えて、作業の人件費やパッケージングのコストなども考慮し、収益性を見極める必要があります。

品質維持

フードデリバリーでは、料理の品質が店内と同じように保たれることが重要です。おいしさを損ないにくいメニューの選定、調理の工夫、適切な温度管理・パッケージングなどへの配慮が必要です。

マーケティングとプロモーション

フードデリバリーサービスを利用する飲食店が多くなり、競争が激化している場合があります。選びたくなるような魅力的な画像の選定、SNSやWebサイトによる情報発信などを行い、フードデリバリープラットフォーム内での注目を集める戦略が必要です。

フードデリバリーサービスの選定

サービス提供地域や手数料など、フードデリバリーサービスによって条件は異なります。自店舗のメニューや客層、利用者数、手数料、そのほかの条件と照らし合わせて慎重に選定することが大切です。

フードデリバリーサービスを活用し経営の柱を強化する

フードデリバリーの実施は新たな収入源となり、店舗での売上が伸び悩んでいる店にとっては、売上拡大への有効な手段となります。

ただし、自店舗で一から準備するとなると多大な時間と手間がかかるため、フードデリバリーサービスの利用が効率的です。まずはフードデリバリーサービスの概要を理解し、検討されてはいかがでしょうか?

なお、フードデリバリーを行うにあたっては、店舗での味と変わらないおいしさで、お客さまの手元に届くよう工夫することが重要です。冷めてもおいしいメニューに絞ったり、ご飯とおかずが完全に分けられる容器や汁物がこぼれない容器を選んだりといった対策が考えられますが、調理時においしさを保つ工夫をするのも一つの方法です。

例えば調理時に「麺さばき油」や「炊飯油」を使う方法があります。麺さばき油を利用すると、麺類のツヤと食感を保つことで、時間が経過してもおいしい麺料理の提供につながります。また、炊飯油を使うと、ご飯を一粒一粒コーティングし、つやが良くふっくらとした状態が持続します。麺がほぐれやすくなったりご飯をよそいやすくなったりするメリットもあり、調理の効率化にもつながります。

ぜひご検討ください。

調理の効率化については、以下の記事で詳しく紹介しています。「調理効率化のポイントは?お客様満足度と回転率の向上を図るために考えるべきこと 

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