ホーム > 外食向けコンテンツ > 価格高騰に負けない!業務用食用油の節約術を解説

価格高騰に負けない!業務用食用油の節約術を解説

価格高騰に負けない!業務用食用油の節約術を解説

2023年の現在、ウクライナ危機や為替相場の影響などで、さまざまな食材の価格が高騰しています。なかでも業務で使用する油は、一般家庭で使用するよりも消費量が多く、なんとか工夫してコストを抑えたい食材のひとつでしょう。

そこで今回は、お店で食用油を大量に使う担当者に向け、業務用食用油をかしこく節約する方法をお伝します。

業務用食用油の節約術

飲食店では、揚げ物や炒め物などを提供する際に必要不可欠な食材である、業務用食用油を大量に使用します。現在のように食材価格が全般的に高騰している環境下においては、消費量の多いフライ油をどのように節約していくかが経営上の課題となります。

フライ油は、長時間使用していると劣化が進みます。油が劣化すると風味が落ち、料理の仕上がりに影響があるばかりか、健康状態を悪化させる懸念もあります。そのため、適切に新しい油と交換しなければなりません。

一方で、油を交換する際にはコストが発生します。そこで、油の劣化を可能な限り抑えて、交換頻度を適正化することが、業務用食用油の節約のポイントとなります。

では、どのような方法をとれば油の劣化を防ぎ、節約につながるのでしょうか?

油を節約するための具体的な方法を確認していきましょう。

こまめに油をつぎ足して使う

フライヤーの油量を一定に保つように新しい油をつぎ足すことが大切です。

油量を一定に保つことで、揚げあがりの状態を均一にコントロールし、油の劣化も抑えることができます。

油の投入量が少なすぎれば油の温度が急激に変化して揚げあがりが悪くなり、劣化にもつながりやすくなります。だからといって多めの油を投入するよりは、適切な投入量を維持し、油が減った分だけこまめに新しい油をつぎ足すことがおすすめです。

一般的に、業務用フライヤーの内側には、投入量を推奨するラインが設定されています。大幅に下回らないよう注意しながら、揚げるメニューや量に合わせて適度な量の油を使用し、こまめに差し油を行うことで、劣化を遅らせることができるでしょう。

油の管理を適切に行う

油の管理を適切に行うことで、風味や安全性を守り、かつ無駄のない交換のタイミングがわかります。

油の劣化度合いは、油のにおいや味の変化などで判断することが可能です。

【異味】…油っぽさ

【色 】…色が濃くなる、着色する

【粘度】…粘度が上昇する、べたつき、こびりつき

【カニ泡】…細かく消えない泡

【におい】…油くささ

ただし、人の目視による判断では個人差が出る可能性があります。

そのため、油の劣化の程度を示す客観的な数値で管理するのが確実です。

一般社団法人日本フードサービス協会が作成した「多店舗展開する外食事業者のための衛生管理計画作成の手引き」によると、油のは下記の項目で判断できます。

<管理ポイント>

・酸価指標(2.5以下を目安)

・官能評価で異常がないこと

劣化した油の見分け方や管理方法については、下記をご参照ください。

油の劣化とはどういう状態?見分け方や正しい管理方法についてわかりやすく解説

食材の水気をしっかり取り除く

食材についている水は、油はねの原因になるだけでなく、油の劣化を早めます。

油の劣化を遅らせるためにも、食材の水気はしっかり取り除くことが大切です。料理の質に影響しないのであれば、できる限り水分の少ない食材を選定するのも有効です。

揚げカスを取り除く

揚げ物をすると揚げカスが残ります。不純物は油を劣化させる一因となるので、揚げカスが出るたびにこまめに取り除くようにしましょう。油に混入した不純物を取り除くために、様々な形態の商品が発売されています。予算や作業負担などを考慮し、自店舗に適した方法を選びましょう。

油の種類を見直す

油の種類の見直しも有効策のひとつです。最近ではさまざまな機能を持つ油が出ており、下記のように劣化しにくい油も提供されています。

日清スーパー長持ち油」へ

日清吸油が少ない長持ち油」へ

今使っている油を上記のような機能性油に変えるだけで、油の交換頻度を抑えることが可能です。ほかの方法よりも手間がかからず、忙しい担当者も気軽に着手できる節約術といえます。

食用油を投入するフライヤーの適切な使い方

フライヤーを適切に使用することで、油の劣化を遅らせ、交換頻度を減らすことも可能です。業務用フライヤーの適切な使用方法について、あらためて確認しましょう。

フライヤーの温度管理を適正化する

油の劣化を遅らせるには、フライヤーの温度管理を適正に保つことが大切です。

一般的に、フライヤーの温度が10℃上昇するごとに、油の劣化速度は2倍になるといわれています。メニューごとに適した温度で調理するほか、使わない時間は温度を下げたり電源を切ったりして調整しながら、温度センサーを利用して温度管理を徹底しましょう。

ただし、油の温度を下げすぎると、使用する際に適切な温度になるまで時間がかかってしまいます。140~150℃程度を目安に下げておくのがおすすめです。

定期的にフライヤー内面の清掃をする

フライヤーの汚れは油の劣化を早めるため、こまめに清掃をすることが大切です。一般的に、フライヤーの清掃は以下の流れで行います。

1.排油

フライヤーからの排油は、安全上室温に下がってから行います。都合により温度が下がり切らない状態で廃油する場合にも100℃以下になってから作業を進めましょう。

2.ろ過

油を再使用する場合はろ過器を使用すると効率的にきれいにできます。ろ過機が無い場合、フライヤーから容器に油を落とす際、クッキングペーパーをセットした金網やろ過用のフィルターを通してろ過することをお勧めします。

3.フライヤーの清掃

①ふき取り清掃

揚げかすを除き、汚れをウエスなどでふき取ります。その後新油またはろ過した油を投入し、フライ作業に入ります。

※上記の清掃を一定期間繰り返しますが、汚れが取れにくくなった場合は専用の洗浄剤を使用しての洗浄をお勧めします。

②専用洗浄剤による洗浄

洗浄方法としては各製品の取扱説明書に従いますが、大まかには以下の通りです。

 ・水または湯をフライヤーに張り、規定量の洗浄剤を投入する。
 ・フライヤーを加温し、洗浄用温度になったら10分程度放置する(沸騰して溢れないように注意)。
 ・作業に支障のない温度に下がったら、水を抜き、十分にすすぎを行う。
 ・ペーパータオルなどで水分を十分にふき取る。

専用洗浄剤について、詳しくは以下よりご覧ください。
セッツ「フライヤースター」へ

フライヤーの清掃と同様に厨房の中での大変な清掃といえば、グリストラップです。グリストラップの清掃方法について知りたい方は、「グリストラップの正しい清掃方法と注意するポイントを解説」をご覧ください。

機能性油の活用の検討

これまでの油を機能性油に切り替える方法なら、手間が少なく済みます。

業務用食用油の節約につながる機能性油には、先に紹介したような劣化しにくく長持ちする油だけでなく、炊飯油や風味油、麺さばき油など、調理オペレーションの簡略化につながる機能を持つ油もあります。食用油の節約術、または業務効率化の対策として、使用する油の変更を検討してみてはいかがでしょうか。

詳しくは、以下よりご覧ください。

日清素材のオイル」へ

麺さばき油」へ

日清炊飯油CH」 へ

まとめ:自社に合った方法で食用油を節約し、食材の価格高騰の波を乗り切ろう

さまざまな要因から食材費が高騰している中、飲食店にとっては、食材の節約が喫緊の課題ではないでしょうか。特に油を多く使う飲食店では、食用油をどうにかして節約したいと、対策を検討されているかもしれません。

節約したいからと特に対策を講じずに食用油を繰り返し使っていると、劣化してしまいます。劣化すると風味が落ちるだけでなくお客さまの健康への影響も気になってきます。

油を劣化させずにできる限り長持ちさせるためには、今回紹介したように油の状態を数値で管理する、フライヤーを適切に使用する、こまめに油のつぎ足しをする、揚げカスを取り除くといった作業を、面倒がらずに丁寧に実行することが大切にです。また、油の変更を検討するといったシンプルな方法もあります。

自社に合った方法で食用油を上手に節約し、食材の価格高騰を乗り切りましょう。

おすすめ商品