フライ油のコスト対策!すぐにできる工夫とは?
2024.01.05
食材価格やエネルギー価格などが上昇している昨今、コスト抑制がますます重要になっています。なかでも、惣菜バックヤードにとって使用量が多くなりやすいフライ油のコスト対策は是非とも検討しておきたい項目のひとつです。
では、フライ油のコストを抑えるためには、惣菜バックヤードでどのようなことを実施すればよいのでしょうか。2つのアプローチで具体的な方法をご紹介します。
目次
業務用フライ油のコストを抑える2つのアプローチ
フライ油のコストを抑えるためには、次に挙げる2つのアプローチでオペレーションを改善することが有効です。
1つは、使用する油の量を抑えるアプローチです。オペレーションの工夫によって、フライ油の使用量抑制に繋がり、コストを抑えることができます。
もう1つは、劣化を抑えてフライ油自体を長持ちさせるアプローチです。調理工程のなかで、フライ油は徐々に劣化していくため、適宜交換しなければなりません。
フライ油の交換頻度が多くなれば、その分コストも上がってしまいます。そのため、フライ油の劣化をできる限り抑えることは、重要な施策と言えます。
使用量を抑えるオペレーションの工夫
フライ油の使用量は、オペレーションの工夫によって減らすことができます。
日清オイリオはとんかつを揚げたときの油切りの方法によって、フライ油の使用量がどれだけ変わるのかを検証しました。その結果、「フライヤーからの引き上げ方」と「油切り網への置き方」を工夫するだけでフライ油の使用量を減らせることが分かりました。
平たい揚げ物は「縦上げ、縦置き」
揚げ物をフライヤーから引き上げて油切り網に置く際に、揚げ物の形状を考慮して最適な引き上げ方をするとフライ油の使用量を抑えられます。
一般的なとんかつのように平たい形状の揚げ物の場合、水平にフライヤーから引き上げる「横上げ」より、垂直にフライヤーから引き上げる「縦上げ」の方がより多くの油を切ることができます。
また、フライヤーから引き上げた揚げ物を油切り網に置く際は、「横置き」より「縦置き」にした方がより多くの油を切れるようになります。
「横上げ・横置き」と「縦上げ・縦置き」の比較結果
日清オイリオは、とんかつの揚げ上がりにフライヤーから引き上げ、油切り網に置く作業を、とんかつを水平にして行う「横上げ・横置き」の方法と、垂直にして行う「縦上げ・縦置き」の方法でフライ油の使用量を比較しました。
とんかつ50枚(120g/枚)を調理した結果、「横上げ・横置き」でのフライ油使用量は1,800gだったのに対して、「縦上げ・縦置き」でのフライ油使用量は1,360gと、440g少ない使用量で調理できました。
仮に1年間(365日)毎日50枚ずつとんかつを揚げたとすると、「横上げ・横置き」から「縦上げ・縦置き」の調理オペレーションに変えただけで、年間約160kgもフライ油の使用量に差が生じる計算になります。
【油切り網に置いた状態:「横置き」と「縦置き」】
劣化を抑えるオペレーションの工夫
フライヤーに入れたフライ油の劣化を抑え、良い状態でなるべく長く使い続けるためには、惣菜バックヤードで次に挙げる7つのポイントを日ごろから意識してオペレーションを実施することが大切です。
適温に設定する
フライ油の温度が高くなるほど、劣化が早くなります。調理をする際には過剰な高温を避け、商品ごとに設定された温度で揚げましょう。
揚げる食材の水気をよく取る
揚げる食材に余分な水分がついていると酸価の上昇が進みます。調理をする際には、揚げる食材の水気をしっかり取りましょう。
揚げカスはこまめに取る
揚げ物調理をすると必ず残ってしまう揚げカスは、油の着色の要因となります。揚げカスが出るたびにこまめに取り除くようにしましょう。
こまめに差し油を行う
揚げ物調理を長時間続けると、フライヤー内の油は揚げ物に吸収されて徐々に減っていきます。減った分の油を補うために新しいフライ油を継ぎ足す「差し油」をすることによって、フライ油の劣化を抑えることができます。朝・昼・夕方など、タイミングを決めて1日の中で定期的に実施しましょう。
揚げないときは油温を下げる
揚げ物調理をしないときに油温を下げることも、劣化を抑えるのに有効です。開店時間や閉店時間に合わせて適切に電源オン・オフを管理し、アイドルタイムは可能な限り電源オフしましょう。
毎日丁寧なろ過を行う
揚げカスの除去に加えてろ過も行うとさらに油の着色抑制効果が上がります。ろ過機やフィルターを用いたろ過が効果的でおすすめです。
定期的にフライヤー内面を清掃する
フライヤーの汚れはフライ油劣化を早める原因になるので、こまめな清掃が有効です。ろ過の際に拭き掃除をしたり、汚れがひどい場合は洗剤を用いて清掃しましょう。
さらなる劣化抑制を目指すなら、フライ油自体の見直しも必要
フライ油の劣化をさらに抑える方法として、長持ち機能を持つ油に切り替える方法も検討する価値があります。
長持ち機能を持つフライ油のひとつが日清スーパー長持ち油です。日清スーパー長持ち油は独自製法により、酸価上昇を抑制する機能を持っています。日清スーパー長持ち油キャノーラと一般的なキャノーラ油を比較した場合、酸価の上昇を約30%抑えるだけでなく、着色や加熱時の油のにおいを抑えることもできます。
フライ油の劣化を抑えるオペレーションと合わせて、長持ち機能のあるフライ油への切り替えも検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:オペレーションの工夫と使用する油の見直しで、フライ油のコスト対策を
フライ油を長く無駄なく使ってコストを抑えるうえで、惣菜バックヤードでのオペレーションの改善は必要不可欠です。調理とその前後の工程のなかで、フライ油の使用量を抑え、フライ油をより長く使うためにできることを日々実施することが大切です。また、オペレーションの改善に加えて、長持ち機能のあるフライ油の活用は、さらに効果的です。
コスト対策の一つとして、オペレーションの見直しと長持ち機能のあるフライ油の検討をおすすめします。
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