ご飯がパサパサになる原因と対策―ご飯のおいしさを維持するためには
2023.09.01
飲食店のご飯に関する悩みとしてよく聞かれるのが、時間が経つとご飯がパサパサになってしまうという問題についてです。
安全性には問題がないからと、パサパサになってしまったご飯を提供していると、リピート率低下を招く恐れがあります。一方で、おいしい状態での提供にこだわり、炊き上がってから一定時間を超えたものを廃棄する運用にしてしまうと、食品ロスの増加につながってしまいます。
そもそもご飯のパサつきはなぜ起こってしまうのでしょうか。今回は、パサパサご飯の原因と対策をご紹介します。
目次
ご飯がパサパサになる原因とは
炊きたてのご飯はふっくらとしていておいしいものです。しかし、時間が経つとパサパサになっておいしさを失ってしまうことがあります。どのようなことが原因でパサパサのご飯になり、おいしくなくなってしまうのでしょうか。
パサパサご飯の原因には、次のようなことがあります。
水の量が足りない
炊飯時の水の量が足りなければ、水分の足りない状態で炊き上がってしまいます。その結果パサパサになるのも早くなります。
また、通常の米と無洗米では水の量が変わることにも注意が必要です。
浸漬時間が足りない
お米は炊く前に、十分水を吸わせてから炊くのが基本です。この浸漬時間が足りなければ、十分に水分が吸収されず、硬いご飯となってしまう場合があります。
保温状態で長時間保存している
ご飯は炊いた後に保温を続けると、水分を失ってしまい、パサパサになってしまうことがあります。
なお、保温を続けていると、ご飯が黄色っぽく変色してしまうこともあります。これは「メイラード反応」によるものです。
冷蔵庫で保存している
食品を保存する際、冷蔵保存することで長持ちさせることができる場合が多いですが、ご飯は冷蔵保存に向いていません。
ご飯は炊くことででん粉が柔らかく水分を多く含んだ状態になりますが、時間が経過するとでん粉が水分を失って硬くなります。このでん粉の状態変化が、ご飯を硬くパサパサにする原因となります。
特にでん粉の状態変化が進みやすいとされるのが0~4℃です。これは冷蔵庫内の温度に近いため、ご飯は冷蔵保存に向かないです。
冷蔵庫での保存によるでん粉の変化や、保温によりご飯が黄色っぽく変色する「メイラード反応」については、「ご飯をおいしく提供するには?おいしさ低下のメカニズムと対策を解説」で紹介しています。あわせてご覧ください。
古米を使っている
お米は精米してから時間が経つと水分を失っていきます。水分の失われた古いお米は、パサパサの原因になります。
古米や古々米を使う場合、水の量を多くしたり浸漬時間を長くしたりといった工夫が必要です。
パサパサご飯を防ぐための対策
ご飯がパサパサになるのを防ぐためには、水加減、浸水時間、研ぎ方に注意するほか、次のような対策をとることが有効です。
対策1.炊きたてご飯を提供
ご飯は炊いた後時間が経つことで、でん粉の状態が変化するとともに水分を失いパサパサになっていきます。このことから考えると、炊きたてのご飯を提供することが最もシンプルな対策と言えます。できるだけおいしい状態で提供したいのであれば、炊きたてのご飯を出すのが一番でしょう。
対策2.保温性能に優れた電子ジャーを使う
ご飯のおいしさを追求するだけでなく、近年は食品ロス削減の観点からもご飯の保温機能の研究が進んでいます。内部をを真空に保つことで、ご飯の酸化と乾燥を抑制しながら保温できる電子ジャーも登場しています。こういった高機能な電子ジャーを使うことでご飯がパサパサになるのを防げます。
対策3.炊飯油を使う
ご飯がパサパサになるのを防ぎ、おいしさを長く維持するのを可能にするのが炊飯油です。
炊飯時に使用することでご飯を一粒一粒コーティングし、長時間保温しても、ふっくらした状態を保ってくれます。また保温した後もご飯のうまみや粒立ちが続くため、おいしさが持続する効果が得られます。
パサパサになるのを防いでおいしいご飯を提供するために
ご飯がパサパサになる原因と対策についてご紹介しました。ご飯を廃棄せず、かつ、お客さまに満足いただけるおいしいご飯を提供するために重要なことは、パサパサご飯の原因を知り、お米と水、炊き方、保存方法を工夫することで対策を講じることです。
今回ご紹介した対策の中でも手軽なのが、炊飯油の活用です。
「日清炊飯油お店のごはん用」はご飯一粒一粒をコーティングすることで、保温ジャー保管で時間がたっても、ふっくらした状態を保ち、おいしさが持続します。また、しゃもじや炊飯釜にくっつきにくくなるため盛り付け作業の効率がアップします。
炊飯油をご活用の際には、ぜひご検討ください。
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