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【Z世代に学ぶ!食のスタイル】

一人ごはんが人気の理由とは? #solodate(ソロデート)が映す今どきの価値観

一人ごはんが人気の理由とは? #solodate(ソロデート)が映す今どきの価値観

【Z世代に学ぶ!食のスタイル】は、次世代の消費者であるZ世代(16〜30歳)の食に対する価値観やトレンドから新しい視点を学び、皆さまのビジネスに役立つヒントをお届けします。

今回は、一人での食事をあえて楽しむZ世代の一人ごはんスタイルに注目します。株式会社野村総合研究所の調査によると、Z世代の50%(女性では61%)がSNS疲れを感じており、そのうち84%が「積極的に一人で行動することがある」と回答しました。この意識は、外食や中食などの食シーンにも大きな影響を与えています。

〈出典〉「Z世代の“SNS疲れ”から生まれる独り行動ニーズ」(株式会社野村総合研究所)

そもそもZ世代とは?

デジタルツールが日常に当たり前に存在する中で育った1990年代中盤~2010年代前半に生まれたZ世代については、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

話題の「キャンセル界隈」。食事よりも○○を優先するSNS世代

#solodate(ソロデート)って?

広がる一人ごはんの楽しみ方

ソロデート、ソロ活、ソロダイニング、おひとりさま、ぼっち飯など様々なキーワードで語られていますが、今、一人ごはんは大きなトレンドのひとつです。若年層の価値観やインサイト研究を推進するNEW STANDARD社のシンクタンクによると、SNS疲れからの解放やセルフケアをきっかけに2023年頃から海外を中心に広まったTikTok発のトレンド「♯solodate(ソロデート)」は、投稿件数23万件を超えており、若い世代のおでかけに関する価値観の変化を映し出しています。

※TikTok は、ティックトック エルティーディー.の商標または登録商標です。

♯solodateのごはん投稿内容を見ると、自分のペースでじっくり味わいながら料理と向き合う外食をしている動画や、テイクアウトした中食の惣菜で一人公園ピクニックでリフレッシュ気分を満喫する動画なども多く、一人で行動することのポジティブな側面を発信しています。

一人行動は「友達がいない」「寂しい」という従来のマイナスイメージは変化し、「一人だからこそ、充実した時間が過ごせる」「マイペースに体験の追求ができる」「一人の時間を大切にできる」というプラスイメージが広がり、Z世代のセルフケアとして一人ごはんを支えているのです。

「一人で食べる=孤独」はもう古い?

Instagramでリアルタイムを共有

※Instagram は、インスタグラム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーの商標または登録商標です。

Z世代は「ソーシャルネイティブ」とも呼ばれるように、SNSが日常の一部です。一方で常に情報を追い続けることに疲れを感じやすい世代でもあります。そんな中で「Instagramストーリーズ」は、一人行動の孤独感を和らげる役割を果たしています。

日本インフォメーション(株)の調査によると、Z世代のInstagram利用目的は「フォローしているアカウントの投稿閲覧」(51.8%)が最多で、次いで「Instagramストーリーズに投稿する」(46.8%)でした。

24時間後には投稿が消える手軽さから、Instagramストーリーズは日常の共有や自己表現の場として活用されていることがわかります。

特に食事シーンの投稿は「♡」リアクションをもらったり、DM(ダイレクトメッセージ=SNSのコメント機能のように他のユーザーに見られることなく、プライベートなやりとりが可能)で会話が生まれたりする機会も多く、たとえ一人ごはんでも誰かとゆるやかにつながっている感覚が得られるのです。

《N1インタビュー》会社員/24歳・男性Aさん

「一人だからこそ食事に集中できる。自分へのご褒美を記憶に残したい」

Q.Aさんは一人での食事はしますか?

はい、めっちゃします!誰かと一緒に食べる機会のほうが少ないかもしれません。一人なら「よし、今から行こう」って思い立ったらすぐに動けるし、カフェだったら好きなだけボーッとできるし、食後に仕事に集中することもできます。あとラーメンとか牛丼って誰かと会話しながら食べるより、黙々と一人で食べるのが一番おいしいですよね(笑)。最近は回転寿司や焼肉に一人で行くこともありますし、老夫婦がやってるような近所の食堂に行くこともあります。

Q.一人で食べることに寂しさは感じませんか?

ん〜僕はないですね。おいしそうなご飯をInstagramのストーリーズにあげれば誰かリアクションをくれますし、「今◯◯にいるの?」とか「そのお店この前行ったよ!」とか連絡が来ることもあるので、1人で食べていても1人な感じがしないんですよね。ただ最近は、食事中にあまりスマホをいじらないよう意識しています。「ながら食べ」ってあまり記憶に残らないというか、ただ空腹を満たしているだけでもったいないような気がして。特に外食をするとき、最近は出来るだけしっかり目の前のごはんに集中するようにしています(笑)。

Q.コロナ禍以降、一人行動は増えましたか?

それはありますね。コロナ禍で友達と会う機会が減って、その分一人で食事する機会が増えたんですが、そこで一人時間の充実具合に気づいたというか……。「一人でも全然楽しいじゃん」って。一人だからこそできることもたくさんあるなって思うようになりました。最近はお店の人と会話して、仲良くなる瞬間も楽しいです。

Q.一人ごはんの時間には、どのような意味がありますか?

「自分へのご褒美の時間」みたいな感じです。日々の仕事や人間関係で疲れることもありますけど、一人でごはんを食べている時間は完全に自分のためだけの時間。リフレッシュできるし、あえて一人になる時間も大切にしたいです。

まとめ:Z世代の食に対する価値観

Z世代にとって一人ごはんは孤独ではなく、セルフケアや充実した時間の手段としてポジティブに受け止められています。SNSを通じてゆるやかにつながりながら、記憶に残る食事を大切にする姿勢には、外食・中食の新しいヒントが隠されています。ぜひ参考にしてみてください。

【Z世代に学ぶ!食のスタイル】

💡 一人ごはんは自分の時間を整えるセルフケア

💡 SNSのつながりで「一人=孤独」という感覚が薄れる

💡 「ながら食べ」から「記憶に残る一食」への意識変化

⭐️外食・中食のビジネスヒント

Z世代の価値観を知ることで、彼らのニーズに応えるビジネスチャンスを見つけることができます。インターネット調査やデプスインタビューを通じて得られた情報をもとに、Z世代リサーチャーと一緒に外食、中食での新たなヒントとアイデアを探りました。

外食

🍚 整える×映える じっくり味わう「一汁三菜の御定食」

雑穀ごはん、豆腐とわかめの味噌汁、豚の生姜焼き、小松菜のお浸しに人参しりしり。栄養バランスに優れた一汁三菜が、Z世代の“自分を整える一人時間”を支えます。トレー上に適度な余白を取り、箸置きを添えることで、整った佇まいと丁寧な所作を引き出し、じっくり味わう食体験を演出します。

🥯 「あの一皿を忠実再現!」体験“再現メシ”+撮影コーナー

アニメや漫画に登場する“あの一皿”を再現したメニューは、Z世代にとって“推しとつながる食体験”。名場面を模した背景を用意した撮影コーナーを設けることで、来店動機を強化し、SNS投稿や話題化を促進する仕掛けに。

中食(惣菜デリカテッセン)

🍅 1週間ストーリーで整える「曜日別のごきげんデリ」

月〜金の曜日に合わせて、色や栄養素が異なる惣菜を展開。月曜は黄(卵・かぼちゃ)で気分を明るく、火曜は緑(ブロッコリー・小松菜)で集中をサポート、水曜は赤(トマト・にんじん)でエネルギーをチャージ、木曜は茶(根菜・きのこ)でスタミナ補給、金曜は白(豆腐・大根)でリセット。曜日ごとの“意味ある選択”が「今日この惣菜を選ぶ理由」になり、継続購入とSNS拡散を後押し。

🕘 ちゃんと満たす「健康バランス夜9時ごはん」

「外食ではつい背徳メシに走りがちだけど、今日は整えたい」。そんなZ世代の夜に応える“ちゃんと満たす”中食。照り焼き豆腐つくねに雑穀入りサラダなど、多品種で調理感のあるヘルシー惣菜で、遅い時間でも罪悪感なく「今日はしっかり食べた」と言えるセルフケア食に。自炊の手間なしで、満足と整いを同時にかなえる夜惣菜の定番に。

いかがでしたでしょうか?
Z世代の価値観を理解することは、外食・中食ビジネスの新しいヒントにつながります。
次回もどうぞご期待ください。

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