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「ちょい足し」でバリエーション豊富なメニュー作り!既存商品に新たな発見を

「ちょい足し」でバリエーション豊富なメニュー作り!既存商品に新たな発見を

飲食店や量販店にとって新規メニューの開発は、お客さまを飽きさせず、常に新鮮味のある店として印象づけるために、大切な施策です。ゼロから生み出すのは非常に大変ですが、既存メニューに「ちょい足し」することで負担を軽減しながら多彩なバリエーションを実現できます。

「ちょい足し」は味変の方法として、一般家庭などでもブームとなっていますが、飲食店や量販店においても有効な方法。メニュー開発において、既存商品への「ちょい足し」で考えると発想が広げやすく、思わぬ発見の可能性もあります。

「新しいメニューの開発」と固く構えてしまうと、新しさを求めすぎてしまい行き詰りやすくなります。

すでに慣れ親しんだメニューであれば、味や素材の特徴を熟知しているため、「ちょい足し」による効果を想像しやすく、商品化への現実的なアイディアに結びつけられます。

「ちょい足し」基本編-まずは味覚の基本を復習し、ちょい足しのコツを身に付けよう

まずは基本の味覚を復習し、それぞれの味覚におけるちょい足しのコツを、見ていきましょう。

塩味

塩味は、ナトリウムを含む食材から得られる味で、料理に深みとバランスを与え、旨味を引き出します。塩以外にしょうゆ・魚醤、味噌など、代用できる調味料を試してみると味わいが広がります。また、調味料から得られる塩味だけではなく、生ハムやチーズ、オリーブなど塩味の強いもの、塩漬けされた食材を活用する方法も効果的です。

甘味

甘味は、砂糖やハチミツなど糖質を含んだ食べ物から得られる味覚で、メニューにまろやかさを与え優しい味わいにします。砂糖やメープルシロップ、ハチミツ、果物など、同じ甘味でも効果に違いが出ます。例えば、さっぱり感を出すため、冷麺のだしの甘味づけに、砂糖より甘みの優しい梨を使うといったことも考えられます。また、練乳やキャラメルソースなど、甘味と特有の風味を持つ調味料や食材を利用することでも、容易に味変します。

酸味

酸味はクエン酸や乳酸などから得られる「酸っぱい」と表現される味です。料理の味を引き締め、爽やかさを与えて食欲をそそる効果や、隠し味に加えることで全体にしまりを与える効果などがあります。レモンやライムといった柑橘類、酢、ヨーグルト、サワークリーム、ワインなど、酸味の種類を変えることで、風味を微妙にアレンジすることもできます。

苦味

苦味は、ゴーヤやピーマン、コーヒー、ビールなどを飲食したときに得られる、舌を刺激するような特有の味のことです。苦味を感じさせる物質には、カフェインやイソフムロンなどさまざまなものがあります。元々は「毒のあるもの」を示す味とされ、塩味や甘味などと比較して苦手とする人も少なくありません。しかし、適量加えることでコクを出す効果が期待でき、インスタントコーヒーをカレーやシチューの隠し味に利用することもできます。

「ちょい足し」応用編―上手に「ちょい足し」のバリエーションを増やし、トレンドを押えたメニューを提供しよう

昨今お客さまのニーズは多様化しており、トレンドの変化も激化しています。しかし、全く新しいメニュー開発だけでトレンドに対応するのは、現実的ではないでしょう。そこで「ちょい足し」が役に立ちます。「ちょい足し」することで、新規メニュー開発の手間とコストを抑えて、スピーディーにお客さまのニーズに応えることが可能です。

例えば次のように、「ちょい足し」で、バリエーションを増やしたりトレンドに合わせたアレンジができたりします。

香辛料やハーブでバリエーションを広げる

独特な刺激や香りを演出してくれるのがスパイス。特有の風味に食欲をそそられます。最近はさまざまなスパイスが注目されていますが、クミン、コリアンダー、シナモン、ターメリック、カルダモン、カイエンペッパー、クローブなどが代表的です。スープや飲みものに入れたり、キャロットラペなど前菜をスパイスでアレンジしたりすることでメニューのバリエーションが広げられます。

また、ローズマリーやタイム、オレガノ、セージ、バジル、パセリ、パクチーなどのハーブも、肉料理やパスタ、サラダなどに爽やかな風味を与え、料理に豊かな奥行きを与えることができます。

辛みを与える

激辛関連のコミックやドラマができるほど、辛みは人気です。ひと口に辛みといっても多様な味わいがあります。辛みをプラスするためには、唐辛子やコショウ、しょうが、カイエンペッパー、チリペッパー、ハラペーニョなどのスパイスを加える、辛み大根のような薬味を使うといった方法があります。また、タバスコソース、サンバルオレック、ハラペーニョソースなどの調味料は、強烈な辛みを手軽に与えることができます。

近年は特に「しびれ系」の辛さにも人気が集まっています。唐辛子と花椒の2つの辛みと豊かな香りの「しびれラー油」を使えば、トレンド感のあるメニューが簡単に開発できます。

「しびれラー油」については、「日清素材のオイル」もご覧ください。

エスニック風にアレンジする

非日常感を味わえるエスニック料理は人気が高く、以下の方法でお手軽にエスニック風の料理を作ることができます。

・スイートチリソース:甘辛い味わいでエスニック料理では定番のソース。鮮やかな赤色で見た目にも食欲をそそり、多様な使い方ができるのが特徴です。例えば、定番メニューの鶏肉料理やサラダもこのような個性のある調味料を添えることで、まったく異なる味わいが生まれます。

・レモングラス:エスニック料理には欠かせないハーブで、レモンのような香りが特徴です。スープやカレー、炒め物などに使用すると、爽やかな風味が加わります。

・ガランガル:しょうがに似た風味があり、スープやカレーに加えるとタイ風のエスニック料理に変化させられます。

・カフィアライムリーフ:酸味があり、トムヤムクンやカレーなどの料理に使われることが多いハーブです。辛味とマッチし、独特の味わいとなります。

・ナンプラー:魚の旨味が凝縮された非常に濃厚な味わいがあり、塩辛くて風味豊かな、タイの代表的な調味料です。日本の醤油のように、炒め物や煮物、スープなど何にでも使えます。例えば鶏の唐揚げの下味や肉じゃがの味付けなどで醤油代わりに使うと、おなじみのメニューをエスニック風に変えられます。

・パクチー:エスニック料理に欠かせないハーブで、独特な香りと味があります。好みが分かれますが、ファンも多い食材です。

・ココナツミルク:カレーやスープなどに加えることでコクと甘みを出すことができ、エスニック感が強まります。

健康感を出す

大豆ミート・豆ヌードルなど代替食品が市民権を獲得するなど、健康的なメニューが大きなトレンドとなっています。野菜や果物、魚、豆、ナッツ、乳酸菌、タンパク質といった健康イメージのある食材やキーワードを活用する、色鮮やかな野菜や果物を使った盛り付けで健康的なイメージをアップするといった工夫が考えられます。

また、“だし感”のアピールも有効です。

だしを使用した健康感あるメニューづくりは、「しっかりおいしい和風健康メニューを効率的に提供するには?」が参考になります。

レモン風味にする

レモンと言えばサラダなどが一般的でしたが、現在は鍋やラーメンなど他分野にも進出しています。爽やかな香りで酸味があるため食欲をそそり、おしゃれなイメージで、特に女性に人気です。レモンチキンやレモンパスタ、レモンリゾットなど、既存メニューにひと味変化をつけられます。

「ちょい足し」を利用し、柔軟な発想から看板メニューを生み出そう

新たなメニュー開発は、ゼロから考えるという視点だけではなく、もともとあるメニューをヒントに考えてみることも有効です。「ちょい足し」で手軽に効率良くメニューのバリエーションやトレンドを押さえることができれば、新たな人気メニューとして売上に貢献することも期待できます。

手軽に本格的な風味を再現でき、焦げ付きにくい風味油を「ちょい足し」することで、効率的にメニューを増やしていくこともできます。自店舗の業態や客層などに合わせて検討し、トレンドを押えたメニューを作りましょう。

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